「鼻の孔が見えるのが嫌」
カウンセリングでよく聞く悩みです。
鼻尖部は大鼻翼軟骨という軟骨の形により形成されています。
例えるとテントの様なものです。
テントの骨組みがあってそこにテントのカバーが掛かっている状態。
骨組みが変われば、テントの形も変わる。
しかし、カバーはそんなに伸び縮みせず、面積もほぼ一定。
骨組みがどんなに変わっても、それに併せてカバーが変わる事ができる
範囲には限りがあるのです。
そんなテントの構造に鼻は似ています。
軟骨を操作しながら無理のない鼻を整えていきます。
大鼻翼軟骨の形を操作して尖端を細くしたりはできますが、
その細くなった頂点の位置を変えるには、
鼻中隔延長による調整が必要となります。
オープン法でアプローチして、鼻中隔軟骨を一部採取します。
それを用いて鼻中隔を延長しながら鼻尖の位置を調整します。
<Operation data>
術式:鼻中隔延長、鼻尖形成、耳介軟骨移植
手術時間:3:30
術後経過:軽度鼻閉感、ギプス固定5日間
鼻の孔がやや下を向くように位置を調整すると、
高さが若干犠牲になります。
幸いにもこの方は鼻尖部の皮膚が比較的軟らかく、
面積にも余裕があったため、高さをある程度維持しながら
尾側へ移動することができました。
術後一ヶ月で大方の浮腫みが消失していますが、
3か月程度経過するとさらに浮腫みが引いてきます。
オープン法でアプローチした傷も1か月だとまだ赤みがあります。
赤みが消失するのも3か月程度を要します。
鼻にとって必要な解剖学的形態のポイントを崩すことなく、
無理のない手術を心掛けています。
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